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□■男・大吉■□  ~生きてただけでラッキー! だから大吉!!~

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2014年 07月 09日

《77》自己嫌悪

◎ココまでの過程◎
大吉への強制給仕中、思うようにできない苛立ちから、大吉に優しくないことばを吐いてしまった。
その変化を敏感に感じた大吉は食事を残してしまうのだった。
はじめましての方はコチラからどうそ⇒
《1》 赤い猫
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日向ぼっこ中は奥の部屋に新参者大吉がいることを忘れちゃう はるまき兄やん

《77》自己嫌悪_d0139236_22252876.jpg

大吉の退院が夢ではなくなってきた頃、私には新しい夢ができ、
鶴見さんへ意気揚々とよく話していた。

「大吉が退院したら、絶対に自分でご飯を食べたり水を飲んだりができるようにする。
大吉はきっと食べることが大好きだろうから絶対にできるようになると思うの。
それができるようになれさえすれば、
大吉のからだは食べもののエネルギーで体力が取り戻されてくるだろうから、
歩行ができるように一緒に頑張る。
それでね、先生は大吉は暗いところでいいって言って
いたけど、光合成をさせたい。太陽のちからは生き物を元気にしてくれるはずだから。
少しずつ少しずつ、ゆっくり太陽のちからを吸収させて、
あの温かさや気持ちよさを思い出してほしいんだ。それでもってリビングで一緒に昼寝したい!
そこまで復活したらもう大吉はただの猫だよね。ただの猫になった大吉と遠慮なく喧嘩したり、
ちょっかい出して怒られたりしたい」

鶴見さんに「喧嘩って?」と聞き返されて、
「ちょっと大吉ー、人が雑誌読んでるの邪魔しないでよー、ほら下りてってばー。
大吉だけに構っていられないのよ、ほらほら」
とかって私が払うと、大吉が恨めし気に声をあげたり、雑誌をめちゃくちゃにする
プレイのことだと説明すると、「いいね喧嘩。できるといいね」と笑っていた。

その気持ちは私の中で大きく存在していて、夢というよりは目標だった。
大吉に生きている喜びを感じてもらうための。

なのに、今日の私ときたら!
大吉に申し訳ない気持ちが次から次へ溢れてきて、湯船に浸かる私は息苦しくなった。
からだをずらして浅く浸かり、湯船の中で大きなため息をつく。
これじゃいけない。
私がこのままじゃ、また同じようなことがきっと起きる。

反省だけしても、忙しくてペースを乱されたと感じたり、気持ちが報われず
思うようにいかないことがまた何度も続いたら、
きっと気持ちの余裕がなくなって、また大吉を傷つけてしまうと思った。
じゃぁどうすればいいのか。
私はなにか見落としていないか。
大切なことを忘れてしまっていたいりしていないか。
浴室の壁を睨むようにして考える。
………。
く、苦しい…。
私湯船にあまり浸かってられないんだった…。
でも答えがわかるまでこうなったらここからでないぞ!粘ることにした。
………。
何度自問自答を繰り返したあとだったか。
あ。ふっと後頭部が軽くなったと同時に、目の前のもや晴れた。
大吉に強制給仕をしているときに幸せだってこと、私は今日忘れてしまっていたんだ。
だんだん大吉との時間もペースが掴めてきて、大吉が強制給仕といえども
食べ物を受け入れてくれているということに
慣れて鈍くなっていた。
‘慣れ’とは恐ろしい。社会経験で学んできたはずなのに。

大吉との生活リズムができてきて、大吉が素直でいい子だったから、
私の中でそれが当たり前になっていていたのかもしれない。
私は幸せすぎて、幸せに慣れてきていたのかもしれない。

毎朝目を覚ますとき、心が一瞬不安で縮んで慌てて大吉を見る。
そして、私たちが寝ている間に呼吸が止まったりしていなかったことに安堵する。
生きて朝を迎えてくれたことに感謝する。
そんな緊張感ある朝を毎日経験しているというのに、どうして。
毎日大吉が生きてくれて幸せで、その幸せに甘えた私がいた。
食事と食事の間も大吉が生きているか何度も覗きに行ってるというのに。
生きていた・よかった・ご飯食べた・生きていた・よかった・ご飯食べた、
の繰り返しが日常の型になってきていたんだ。
ごめんね。
ごめんなさい大吉。
さっきも今も生きてご飯を飲み込んでくれてありがとう。


浴室ですぐに酸欠になる私が顔を赤らめながらわかったこと。
大吉が生きてご飯を食べてくれている瞬間を私が味わえば、大吉は絶対にぐずらない。
舌を使いたがるようになった大吉のペースを私が味わい、
それによってシリンジで口に入れた食事を全部こぼしてしまうことも
私が味わう。それはすごく大切なことだった。
だってそれらの時間の全部が幸せで、奇跡の時間なんだから。

私は自分が大吉のお蔭で今どんなに幸せな時間を過ごせているのかと
気づくことができたので、そろそろのぼせて
喉も乾いてきていたけれど、「あぁ幸せだなぁ。私幸せ」と100回くらい口にしてから湯船からあがった。
ちょっとふらふらだけれど大丈夫。
だって壁の向こう側では、大吉がきっ待っていてくれていると知っているから。
大吉が今も生きていてくれているというこの瞬間。
飛び切りの幸せをありがとう、大吉。



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# by acchan-man | 2014-07-09 22:36 | 大吉の歩み
2014年 07月 02日

《76》療養猫へ吐いてしまった暴言

◎ココまでの過程◎
大吉のケアで持病が悪化中のわたし。
でも大吉は元気!
強制給仕中の大吉に嬉しい大きな変化が現れたのだった。
はじめましての方はコチラからどうそ⇒
《1》 赤い猫
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大吉が隔離されていることを忘れ、
いつも通りおまた全開でくつろぐ ちまきさん

《76》療養猫へ吐いてしまった暴言_d0139236_18393514.jpg

本当は自分の舌先でとらえた食事を自分のペースで食べたいだろうに、
実際には、勝手に口の中にどろどろご飯を入れられ、味わう時間もなく、
飲み込むよう即される。
うまく飲み込めないと、別のシリンジの中に入った水で流し込まされてしまうのだ。
かといって、大吉の食べたいように食べさせても、首、顔、舌を自由に使えないので、
自力ではほとんど食べることはできないのが現実だった。

なので私は、かわいそうだけれど、
今まで通りの方法で大吉に食事を与えるしかないかなと思っていた。
1日3回の強制給仕に、各30分ほど時間をかけていたけれど、
今の段階ではそれ以上時間をかけたからと言って、こぼさず食べられるわけではない。
それに、私の手の痛みも強かったので、
それ以上大吉の体を支え続けることは難しかったのだ。

痛みは私にもストレスを感じさせた。
支える手の上で大吉が動くと、慢性的な痛みに加え、
大吉から手を瞬間的に引いてしまいそうなほどの激痛が腕や首や体に走る。
やり場のない痛みを味わったとき、私は大吉に向かって
「あんまりこぼさないでちゃんと食べてっ」とこぼしてしまった。

大声をだしたわけではなかったけれど、私から優しくない言葉を向けられた大吉は、
急にいやいやをしだし、口の中の食事を出した。
それを見て私が間違ってるとすぐに思ったが、まるで勢いよく振ってから栓を抜いた
炭酸飲料のように、一度流れでたストレスを瞬時には止めることはできずに、
しばらく「わがまましないで食べて」「大ちゃんのためでしょ」などと、
この状況は大吉のせいだというような、優しくない卑怯な言葉を何度も吐いてしまった。
結局、大吉はいつもより食事を残してしまい、食後のお昼寝も一緒にできず、
嫌な時間を過ごすことになった。

いつもより残りの多い食事の後片付けをキッチンでしながら、自己嫌悪に陥る私。
しかし洗い物をしながらも、体を動かすと雷が落ちるように痛みが走り、
やり場のないそれを消すのはなかなか
簡単なことではなかった。

少したってから、そっと大吉の休む部屋を覗いてみたが、反応はない。
普段の食事でも疲れるだろうに、あんな嫌な時間のあとでは余計に体力を消耗して
しまったのかもしれない。
私が部屋に入っても、手を近づけても、声をかけても、ただうすく開けた瞼の奥から、
私には想像ができない景色に目を向けたまま、そこに居続けた。



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# by acchan-man | 2014-07-02 18:40 | 大吉の歩み
2014年 06月 29日

《野生イルカと泳ぐ》

《野生イルカと泳ぐ》_d0139236_152644.jpg

ちょっくら島旅してきました^^
目的はイルカと海で遊んでもらうこと♪
毎年必ず1度は島へ行き、気がつけばもう6.7回目!
《野生イルカと泳ぐ》_d0139236_1523692.jpg

今年もたくさん遊んでもらって、
癒され、幸せな時間を過ごせて大満足でした!!

戻ってきてからは、体が悲鳴をあげダウン…orz
これも毎年恒例行事ですが、
なんとか復活してきたのでご安心を♪
《野生イルカと泳ぐ》_d0139236_1543889.jpg

動画の準備はできてないので、とりあえず写真だけ~
になってしまいましたが、お許しを。

『男・大吉』の方も、ぼちぼち取り掛かりますので
よろしくです(´艸`)



『男・大吉』、初めから読みたいという方はコチラからどうそ⇒
《1》 赤い猫



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# by acchan-man | 2014-06-29 15:07 | ご挨拶・その他の話
2014年 06月 23日

《75》残されていた味覚

◎ココまでの過程◎
奇跡の退院から数日。
大吉の変化は少しずつ少しずつ。
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《1》 赤い猫
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退院するとき、この先あまり変化はみられないと告げられた大吉。
ところがどっこい。
たった数日だけれど、大吉の底知れぬパワーが発揮されだしたのだ。
とはいってもじわじわ~と。
やっぱりマイペースな大吉だけれど、変化があることが私の希望。
命がここにあるということだけで奇跡だったのに、
私の希望に誠実に答えてくれる大吉は、私が今まで出会った中で一番の紳士だ。


今日は渋い色味でキメッ(画像が…涙)

《75》残されていた味覚_d0139236_2215957.jpg


具体的にどんな変化かというと、食欲が出てきた。
今までは、ただ大吉の口にシリンジをあて、流動食を流しこみ、
喉をさすってなんとか飲ませていたのだけれど、
自分の意思で飲み込む、という動きがみられるようになった。
次に私が指でどろどろの流動食を口に入れても飲み込むようになり、
調子に乗った私が、、普通のウエットと、固形エサ2粒を口に持っていっても
食べたのには驚いた。
退院4日目で、流動食以外のものを与えたことに、鶴見さんは驚き慌てていたようだけれど、
腎臓が少し心配ということ以外、とくに内臓に問題はないのだ。
昨日の大吉より今日の大吉のが元気だから大丈夫!

やっぱり流動食では、味気なかったようで、通常のウエットを与えたときには、
全身で喜びまで表現してくれた大吉。
一定の動きのパターンしか見れていなかった私は
「そっかー美味しいのはわかるんだねー。よかったね、大吉。美味しいねー、よかったねー」
と心を震わせながら繰り返し言った。
そして、食べ物を美味しいと感じられることの偉大さを、まじまじと感じさせられたのだった。
だってこの時から噛む力も強くなり、舌の動きも見違えるほど活発になったのだから。

ご飯後の恒例ごろんタイム(お見苦しくて申し訳ない)

《75》残されていた味覚_d0139236_22183996.jpg


一方、私の変化。
右手首と肘の炎症と痛みがとくに強く出てしまっていた。
健康な時は気にしていなかった些細な動きでも、
実は関節には大きな負担が掛かっているので、利き腕へのダメージは大きい。
空のダンボールを持っただけで、強い痛みが走りそのままダンボールを落としてしまう。
大吉のサポートに支障がでないように、強制給仕のときの腕の角度や、
大吉を支えるときに工夫をしなければいけない。
自分の体が悲鳴を上げると、大吉を支えれなくなってしまうから
私はついつい自分を責めてしまうけれど、
前にダウンしてしまったときに、鶴見さんが言ってくれた言葉を思い出した。

「きっと大吉にパワーをあげているんだよ」

そっか。
だからあんな風に喜ぶ大吉の姿を見ることができたのか。
そうなんだか腑に落ちた。
明日からの大吉が楽しみ。



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# by acchan-man | 2014-06-23 22:24 | 大吉の歩み
2014年 06月 18日

《74》家族のちから

◎ココまでの過程◎
今日から大吉の未来に向けて、自宅療養。
やることの多さよりも、夢にまで見た大吉との生活にトキメキが止まらない!
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退院後初の強制給仕。

《74》家族のちから_d0139236_2181855.jpg


1日3度の強制給仕。
これをいざ、自分一人でこなしてみると、なかなか時間が必要だとわかった。

・食事量を計量し、固形はふやかしてつぶし、缶詰、栄養剤と混ぜ合わせたものをシリンジにいれる
・シリンジを使って大吉に根気よく食べさせる(途中イヤイヤあり)
・食事と一緒に、別のシリンジで水も飲ませる
・食後、大吉が満足顔をするまで抱っこをし続ける
・汚れた床の掃除、片付け
・家事などをしながら、大吉の様子をこまめにチェック

こんな感じで、気づくと次の給仕の時間という…
同じような流れでもう2回繰り返すと夜になっていて、鶴見さんが帰宅したら、
皮下点滴を行うのだ。

お風呂は夜中。
鶴見さんが帰宅して、食事やお風呂が済んで自由になってからでないと入ることができなかったのだ。
だってまだ大吉のペースもわからず、とにかく得体のしれない脳腫瘍のせいで何が起こるか
わからないという思いで不安だった。
すぐに動ける自分でいられるようにしていたので、生活のペースはがらりと変化していた。


本当に1日なんてあっという間。

実際に行うことのちょこちょことした多さよりも、常に気を張り続けてしまうことで、
じわじわと疲れがたまってしまっていたけれど、食後に大吉をぎゅうっと抱きしめていると、
すごいボリュームで「ゴーロゴーロ」と喉を鳴らし、次にフミフミ、そしてそのままだんだんと
寝ていく…というご褒美を大吉からいただいていたので、疲れなんてなんてことなかった。
むしろこのご褒美を独り占めしているみたいで、「なんだか鶴見さんに悪いわー」くらいに思っていた。
 
夜、私たちのベッドの横に置いてある、ケージ内の大吉が気になって気になって、
何度も起きては覗いてしまうのだけれど大吉は静かで、気が緩みたまたま眠りに落ちると、
大声をあげ私を飛び起こしていた。
大吉はトイレのあとに決まって大声で叫び、それが夜中に行われるので、私は寝不足になり、
その不足分は大吉の食後抱っこで少しだけ取り返していたのだった。

我が家に来て2日。
大吉の健康面に特に大きな変化はなかったが、抱っこをして寝るときの大吉が、
すごく安心した表情を見せてくれるので、私たちも勇気をもらっていた。
また、大吉のいる部屋の灯りを点けたり、中に入ったりすると、気配で気づくのか、
かすかな反応を見せてくれるようになった。

大吉。
助かってよかったよね?
この家もなかなか悪くない、って思ってくれる日がくるよね。

大吉の食後の居眠りを思い出しながら、背中をなでる。
あんなに水分を入れているのに、まだ背骨が浮いている。
なにかの楽器のように、一つずつ順々に指の腹に骨が当たる。
こっこっこっこっこ……
骨は元気そう。
大丈夫だよ、大吉
みんなそう信じてるから。
家族のちからを合わせて乗り越えよう。


反対の手のひらには一枚のポラロイド写真。
私と鶴見さん、そして大吉との3ショット。
大吉のカルテと一緒に保存する写真を撮る際に、私たちの分もクリニックの看護師さんが
撮ってくれたのだ。
大吉を鶴見さんと二人で支えての、大切な退院記念写真。
すごく嬉しい!
なのに、写真の中の私は目を閉じてしまっている。むむ。



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これでもこの家の姫なのよ~
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# by acchan-man | 2014-06-18 21:14 | 大吉の歩み